バッド・カンパニーとオープンCチューニング

今回のブログは初の試みとしてyoutubeとの連動企画でお送りします。

僕が東京で初めて観たコンサート、それはバッド・カンパニーの武道館でのただ一度きりの日本公演だった。時は1975年3月3日。ちょうどその時大学の受験発表を見る為に上京していた僕は、ラッキーにもそれを観ることができた。
その前の年に出ていたデビューアルバムは大のお気に入りで、もちろんコピーもしていて、「Can’t Get Enough」や「Movin’ On」など数曲をその後に控えていた上京前の地元での最後のライブで演奏することになっていた。

中学の時からストーンズが大好きでキース・リチャードのオープンチューニングなんかも真似していたから、「Can’t Get Enough」と「Movin’ On」の2曲はどちらもオープンチューニングだろうっていうのは分かったし、おそらくオープンGかオープンAで、カポを使ってCのキーに合わせてるんだろうな、と思っていた。
そして武道館のコンサート当日、終盤になってその2曲が演奏され始めた。果たして自分がコピーしていた弾き方で合っているのかどうか、持参した双眼鏡で確認したその結果は・・・
オープンチューニングである事は間違いなかったけど、カポはしていなかった。
結局その時点では、カポなしでどうやったらオープンCに出来るのかがイメージ出来ず、地元最後のライブではその2曲をオープンAの3フレットカポで演奏した。

画像が暗くてよく見えないけど、3フレットにカポをしているのが見える。
左手にスライドバーをしているので「Movin’ On」のソロを弾いてるところかな?

その後、80年代くらいにギター雑誌のインタビューでミック・ラルフスがオープンCチューニングについて語っているのを読んで、下からCCGCECという風になっている事は分かったんだけど、普通のゲージの弦ではちょっとあり得ないくらい高くチューニングしなければならないので、実際に試すことは結局一度もなかった。

で、先日ギター弦のストックを整理してた時のこと。
セット弦とは別にバラ弦をゲージ順に並べて入れてある箱があって、チェックしてみると普段使ってるゲージの他に、ダウンチューニング用に買ったセットの残りとか、プレーン弦と巻弦を間違えて買っちゃったやつとか、その他よく覚えてないのも含め、どうもこの先あまり使い道がなさそうな弦がけっこうあった。
さて、何か使い道はないものか?と、しばし考えてて思い出したのが、件のバッド・カンパニーのミック・ラルフスがやっていたオープンCチューニング!
という訳でさっそくやってみました。

今回使ったゲージは6弦…C (0.32W)  5弦…C (0.30W)  4弦…G (0.19W)  3弦…C (0.15P)  2弦…E (0.12P) 1弦…C (0.11P)   *()内は使った弦のゲージで、Wは巻弦、Pはプレーン弦
(おそらくミック・ラルフス本人が使ったゲージとはかなり違うと思うけど、あるものを組み合わせて使ったのでご了承を)

実際に曲を弾いてみると、全6弦中、4本の弦がCの音になるので、そのユニゾン感が独特な煌めきを生み出してる感じかな? 確かにレコードの響きに近いし、レギュラーチューニングでただ普通に弾くのとはもう全然違う世界観が現れます。

ただ今回のような特殊なゲージの弦を張るやり方は、気軽に試す感じでは出来ないし、一旦やっちゃったら普通のレギュラーチューニングには対応出来なくなるので、なかなか悩ましいところではあります。
09〜42とか10〜46とかの普通のゲージのセットでこのチューニングにするのは不可能ではないかもしれないけど、なかなか度胸がいるというか(笑)テンションがすごい事になりそうだし、ネックとかにも負担かかりそう・・・

なので僕が高校の時にやってたようなオープンAで3フレットカポのオープンCというのが現実的な選択肢になる訳ですが、じ・つ・は・! 特殊なゲージの弦もカポも要らず、いとも簡単にオープンCに出来るチューニングがあります。

もうかなり前の事ですが、オープンCが必要なとあるセッションで、カポを忘れて来てしまい、カポなしでも弾けなくはないけど、ちょっとニュアンスは変わっちゃうよなー、とか考えてた時に、ふと思いついたアイデアで試したのがこのOTSUKING流オープンCチューニング。
2弦をBからCに半音上げ、4弦をDからCに1音下げ、5弦をAからCに1音半上げ、以上。
6弦は使わず、下からCCGCEというオープンCコードになります。
弾いた感じは上のCが一つ抜けちゃうので、高音の煌めき的なところが少し薄くはなるけど、かなり近い雰囲気は出せるはず。むしろカポを使ったオープンCよりもオリジナルの感じに近いかも。

ミック・ラルフス風オープンCに較べれば、ノーマルなセットアップのまま、チューニング変更もかなりスムーズに行えるはずなので、よければ是非試してみてください。

 

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