トッド・ラングレンと黒いムスタング 〜後編〜

いくつかのアマチュアバンドを掛け持ちしてやりながらプロになるきっかけを探していた学生時代、ある日友人の1人が「レコードデビューが決まってるバンドがギタリストを探してる。お前プロになりたいんだろ?オーディションに行ってみれば?」という話を持ってきた。今となっては詳しい事をあまり思い出せないんだけど、とにかく言われるままにオーディションに行き、その場で採用が決まりました。

そのプロデビューとなった「とし太郎&リバーサイド」に参加した時の僕の愛機はフェルナンデスのストラトモデル。定価8万くらいのやつだったから当時の国産ギターとしては良い方だったと思うけど、特に気に入ってた訳でもなかった。ある日リハーサルでスタジオにいた時、フェンダーの黒いムスタングを見つけた。「これは誰の?」と聞いてみるとバンドが僕の加入以前にコンテストの賞品としてもらったもので、誰も使ってないと言う。当時まだギブソンもフェンダーも縁がなかった自分にとっては、絶好のチャンス!「誰も使ってないなら俺が使っていい?」と言う事で、その後のレコーディングもライブも、リバーサイド時代はほぼその黒ムスタング一本で通しました。ユートピアでのトッド・ラングレンの黒ムスタングを抱えた勇姿が愛着に拍車をかけたことは間違いありません。

しかしそのムスタングはバンドを辞めるときに返却を求められたので、やむを得ず返却。今は何処にあるのかな? その後しばらくしてやはり黒いムスタングが欲しくなり、探してみるものの黒いボディにローズネックという同じ仕様のものは見つからず、結局オーダーして作ることに。ブラックボディ&ローズ指板の極太ネックにEMGのアクティブピックアップ、トグルスイッチにブースター内臓と、あれこれ独自のアイデアを盛り込んだオリジナル仕様でしばらくはメインで使ってたけど、その後あまり出番がなくなり、20年くらい前にプロデュースした若いバンドの子にあげちゃった。

そして数年前にまたまたムスタングが欲しくなって探した時、タイミングよく黒いムスタングを発見〜即購入。購入後すぐに、お約束のトグルスイッチとミニスイッチ改造。ただ元のスライドスイッチも生かしてるので、トグルと併用してフェイズアウトもワンタッチでいけるし、スイッチング奏法だって出来る。ミニスイッチはパッシブのブースター。ピックアップはオリジナルのはハウりがすごかったので、レースセンサーに変えました。だから見た目はトッドのやつとクリソツだけど、回路とか中身は自分仕様です。

来月のGold Rock@西荻Terraのオープニングアクトとして初ステージを踏むDystopia(やまたんぼ氏念願のユートピア・トリビュートバンド)では、この黒いムスタングで弾きまくります。ホントはトッドの場合、ムスタングよりも、サイケペイントのSGやフォームグリーンのストラト弾いてる時期の方が実は圧倒的に多いんだけどね(笑)なぜか黒いムスタングのイメージなんだよね。

 

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