君だけに愛を

はっきりとは覚えてないけど、おそらく小学6年生くらいの頃だったろうか?

ギターを始めて2年目くらいで、加山雄三から寺内タケシ、そしてグループサウンズに夢中で、芸能雑誌の付録の歌本とか見ながらいろんな曲をコードでポロポロ弾いてた頃のこと。ある日地元の楽器屋でザ・タイガースの「君だけに愛を」という曲のバンドピースを見つけ、即行で買って帰った。(バンドピースっていうのはバンドスコアの一曲だけのばら売りみたいなやつ)

厚紙のケースの中に各パート別の譜面が入ってて、譜面の体裁が写譜ペンでの手書き風だったのを覚えてる。譜面は学校の音楽の授業で習う程度だから決して得意ではなかったけど、好きな曲なので一生懸命譜面とにらめっこしながら練習した。リードギター、サイドギターはもちろん、ベース、ドラムまで。ベースやドラムは持ってないからギターや手ドラムとかでね。

今となっては現物がないので確かめようがないが、記譜された音とレコードの音はちゃんと一致してると思えたので、記憶の限りではかなり正確な譜面だったように思う。

それでもっといろんな曲の譜面が欲しくなり、またお店に行ったけどない。うん、ここは田舎だから都会に行けばもっといろんな曲のバンドピースが売ってるだろうと、その少し後家族で大阪に行った時、「楽譜が買いたい」と言ってあちこちのデパートや楽器屋なんかを家族引っ張り回して探し回ったけど、結局お目当てのものは見つからず、ガッカリして帰った記憶があります。

その後、音楽的興味が洋楽に移って行くと同時に、ギターにもより一層のめり込んでいくんだけど、まあとにかく情報がない。たまに音楽雑誌にビートルズの曲の楽譜が載ってたり、ストーンズの楽譜が売ってたこともあったけど、どちらもデタラメ。キーも違うし、コードだって全然違う。「なんで???」って思ったけど、完コピ譜面じゃなくてアレンジされた物だったのかな? 今となっては分からないけど。

ともかくそこからコピー譜がないなら自分で書けばええやん、と考えるようになり、自分で耳コピして、それを譜面に書き起こすというのをやり始めるんですね。クリームの「クロスロード」とか、ストーンズの「悪魔を憐む歌」のライブバージョンとかいろいろ書いたけど、そもそも耳コピすること自体決して容易いことではない訳で、オープンリールのテープレコーダーに録音したやつを再生速度を遅くして聴きながら11音拾って、それを譜面に書き込んでいくんだけど、聴き取ること、弾くこと、書くこと、全てにおいてまだまだ未熟な頃だから、そりゃあもう気の遠くなるくらい時間かかってたはず。覚えてないけど(笑)

数年前、実家から持ち帰った荷物の中にその頃書いた譜面がありましたが、意外とちゃんとした譜面で、我ながら感心しました。

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