トッド・ラングレンを初めて聴いたのは、確か高校3年生くらいの頃、『Something/Anything?』を日本独自にシングルアルバムに編集した『ハロー・イッツ・ミー』というアルバムだった。
それまでにも音楽雑誌とかで写真を見かけたりはしてたと思うのだけど、派手なメイクをしてる写真もあれば地味にスタジオのコンソールにいるだけのもあったり、「マルチプレイヤー」とか「音の魔術師」とか、いろいろ見出しがついてても今ひとつ実態が掴めないまま、聴いたのがこのアルバム。予想以上にポップで、聴きやすく、お気に入りの1枚にはなったのだけど、当時はかなりハードなロックが好みだったこともあって、それ以上は深入りすることもなかった。まあ今とは違って情報を探し出すのも容易じゃなかったし、お小遣いの余裕もなかったから買うレコードも厳選しなきゃいけなかったからね。。。
その後、上京して2〜3年後くらいのある時、友人からFMの録音と思われるカセットテープをもらった。それがユートピアのライブで、4人編成になってからのもの。曲は「Love Of The Common Man」「Love In Action」「Death Of Rock’ n’ Roll」辺りははっきり覚えてる。「Crazy Lady Blue」もあったような気もするので、’77年のツアーのやつだったかな?
とにかく、それを聴いた時なんだか知らないけど、ビビッと来ちゃった。ポップさとアグレッシブなロック感と、ちょっとねじれたキャッチーさ、とでも言うのかな?ちょうど紋切り型のハードロックに飽きてきてた頃だったからかも知れないけど、速攻で当時のトッドのソロやユートピアの近作を3〜4枚買い込んで、気に入った曲は片っ端からコピーしたりして、気づいたらもうどっぷり嵌ってた。
ちょうどそんなタイミングで行われたのがトッド&ユートピアの2度目の来日公演。情報に気づくのが遅かったので、チケットは買っておらず、当日会場で並んで当日券をゲットして観たんだけど、なんとラッキーな事にほぼステージ最前列の超良席!
全身銀色のラメスーツに身を包んで、黒いムスタングを弾きながら歌い、飛び跳ねるトッドはとてもチャーミングで、かなり長丁場のライブにも関わらず、ダレることなく終始高いテンションで惹きつけられた、とても印象深いライブでした。途中ジャンプしてステージのふちのケーブルの束の上に着地してしまい、そのままバランスを崩して真っ逆さまに落下したりもしてたっけ(笑)
でも低めの位置に黒いムスタングを構えて、忙しく動き回りながら弾くトッドのその姿は充分魅力的で、それ以来、憧れのギターの一本に黒いフェンダー・ムスタングが加わったのは言うまでもありません。そして予期せぬ形でそのギターとの出会いが待っていたのです。
〜長いので続く〜
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