どんなタイプのトレモロユニットのギターであれ、その調整法には方程式のようなものはありません。ギターというものが『木』という均一性のない材で出来ていることも関係しているでしょうが、「ここをこうして、あそこをこうすればどんなギターも完璧..!」みたいな訳には行きません。
もちろん、それぞれのギターのタイプごとに有効と思われる方法はいろいろあって、上手く行けばかなり完璧に近い状態に持って行くことも出来ますが、上手く行ったからと (全く同じモデルの) 別のギターに同じやり方を試みても、良い結果がでないことはままあります。
かと思えば、思いつく限りのあらゆる方法を試しても上手く行かず、「万策尽きたか…」とあきらめかけた頃にほんのちょっとした事で状況が劇的に改善されたなんてこともあるので、結局のところ、いかに根気よくギターと向き合えるかの勝負なんでしょうね。
あとは「妥協点」を決めることも大事かもしれません。過去の体験上、やはり全てのギターが納得のいく状態に調整出来るわけではありませんので。
よくある事例として、チョーキングしたらフラットした→ペグを回してチューニングを直す→アームを使う→今度はシャープしてしまう…というのがありますが、この場合フラットしてもペグで直さずに、アームを1回ダウンorアップすることで戻せるようにしておけば、とりあえず演奏上の大きなトラブルは避けられます。
基準が分からなくなるぐらいチューニングがばらばらになってしまうと、もうどうしようもありませんが、どこがどう狂ってるのか概ね把握出来ていて、素早い動作でリカバリー出来る…あるいはアーミングの使用強度/範囲を大きな狂いが出ない程度にとどめておく、など最低限演奏続行可能な状態をキープ出来ればひとつの妥協点と考えて良いと思います。
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