犬を飼うということ

物心ついた頃には家には犬がいました。大きな秋田犬です。

一緒に写った写真が何枚か残ってはいるけど、その犬の記憶は正直言ってあんまり無いです。

その後僕が小学校に入った頃、別の秋田犬の子犬がやって来ました。

その犬は僕が小学~中学~高校と成長する間ずっと家にいて、高校卒業後上京して成人する頃まで生きていたので、大型犬にしては結構な長生きと言えるでしょう。

そんな環境で育ったわけですが、若い頃は犬を飼えるような状況にもなかったし、他に興味のあることがいっぱいあり過ぎて、犬を飼おうなんて思ったことはなかったですね。

でもいつからだろう? そのうち知人宅とか海外のスタジオとか、訪れた場所に犬がいるとついつい相手をして、「犬がいるってやっぱいいな」と思うようになり、徐々に犬が飼いたいと思う気持ちが芽生えはじめました。

二十数年前、結婚した当初住んでたところは賃貸マンションで、ペット飼育は禁止。でもどこか遊びに行ったところに犬がいて、ひとしきり戯れて帰った時なんかは犬が欲しくてたまらなくなり、「ちっちゃい犬なら内緒で飼ってもバレないんじゃない?」などと言ってたこともありました。もちろん言うだけでしたが(笑)

「一軒家に住んで犬を飼う」ことが人生の目標の一つになったのはその頃かな。

そしてその数年後、念願の一軒家に住むことが決まり、犬を飼うことが非常に具体的な目的になった頃のある日、伊豆へ家族旅行に行きました。その時名前は忘れたけど、犬のテーマパークみたいなところに行って、その中に犬を散歩させるというアトラクションがありました。

候補犬がいっぱいいて、みんな「私を選んで!!」ってすごいアピールする中、飼う候補にしていた犬種であるフラットコーテッドがいたので迷わずその子を選び、係員さんの簡単な説明の後、いざ散歩に出発。すると、いきなり林の中の道めがけてまっしぐら!

そしてしゃがみ込むや否や、もっこりう○ちですよ(笑)

「まいったな~!お金払っていきなりう○ち拾わされるのかよ~」

これがその時のワタクシの正直な気持ちです。

子供の時ずっと犬がいたと言いましたが、当時は「昭和」真っ只中で、なおかつ周りは田んぼと原っぱだらけの田舎。飼い犬事情も今とは全く違うので、犬のう○ちを拾う習慣なんてありませんでした。

なのでこれが僕にとっての「う○ち拾い」人生初体験でした。

別に潔癖症というわけではないけど、正直これは「きっつ~いな~」と思いましたね。

「犬を飼うってことは毎日う○ち拾わなきゃいけないんだ」という事実に直面して、一瞬逡巡しましたが、結局犬を飼いたいという気持ちが萎えることはなく、その翌年、ついに自分にとっての初めての子犬を迎えるわけですが、懸念していたことはあっという間に吹っ飛びます。

何しろ散歩に出るようになるずっと以前に、家の中でところ構わず上から下からいろんなものを出してくれるんですから(笑)「汚い」とか「気持ち悪い」とか思ってる暇もなく、ひたすら後始末を繰り返すうち、すぐに何とも思わなくなりました。

あれから15年、最初の犬はお星様になり、2頭目は今娘ざかりです。

今日犬を飼うということは、昔とは違って、いろいろ生活や行動の制限も受けるし、時間もお金もたっぷりかかるし、家も汚れるし、物を壊されたりもするし…なかなか大変です。(特に大型犬は)

でもね。

そういう大変を大変と感じない人が犬を飼うのに向いた人なんだろうな、と思います。

もちろん僕もその一人なんでしょう。

毎日一緒に散歩したり、多くの時間を過ごすうちに、本当にかけがえのないバディ(相棒)になるんですよね。そしてそれはそんなに長くは続きません…だからこそ毎日がプレシャスなんです。

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