トレモロ大好き 4 〜板バネ その弐〜

一般的なトレモロアーム使用時のチューニングの狂いの原因って何でしょうか?
1)ナット部分での摩擦
(ストリングガイドも含む)
2)アーミング後のアームの位値が元のニュートラル位置に戻り切っていない
(アームダウン時とアームアップ時で戻る位値が違う)
3)ブリッジサドル上の摩擦
(可動ブリッジの場合の位置ずれ)
4) ペグ/ストリングポストの弦の巻き方
(ペグ/ストリングポストのガタつき、弦の巻きたるみ etc…)
5)  使用している弦のゲージ、テンションが適正でない
主立った原因はだいたいこの中のどれか、あるいはその複合的なものである場合がほとんどです。
ただ今回取り上げている板バネ/マエストロ・バイブローラは、そのシンプルすぎる構造が幸いしてか、2) のアーミング後の戻りが悪いケースはなかなか考えづらく、チューニングの問題が起きる場合は、それ以外の1)3)4)5)の各ポイントを検証して行くべきでしょう。
まずは1) のナットです。バイブローラ搭載のギターと言えば、基本的にはギブソンなので、ファイアーバード以外のモデルはヘッドのペグ構成が3対3になっており、ナット上の弦溝に若干角度が付いています。ここでの引っ掛かりというか摩擦で、アーミング時に動いた弦が元に戻りきらずに狂ってしまう….というのが、まずはもっとも多いパターンでしょう。
その対策として僕が昔からよくやっている、もっとも手軽でコスパの良い方法を紹介します。
それはナットの溝を鉛筆の芯で擦るだけです。
2B以上のなるべく黒鉛含有率の多い鉛筆が良いです。
潤滑油など油分を含んだものは埃が溜まったりして、逆効果になることがあるのであまりお薦めしません。
鉛筆で充分です。これだけでかなりナットでの摩擦を軽減することが出来ます。
もちろんナットの溝切りが適正に成されていることが前提ではありますが…。
それから3) のブリッジサドルの溝にも鉛筆を擦り付けます。
過去の自分の体験上、ペグ、ナット、ブリッジなど各パーツおよびギター自体に特に問題がない場合、これだけでほぼOKな状態になるはずですが…。
〜続く〜
Maestro#2_Nut
 

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